2016年01月15日

NHK大河ドラマ『真田丸』を観た!!

 このブログ、しばらくは探偵小説専門誌『幻影城』に関する記事を中心に進めますが、たまには以下のような余談を挟み込んでいこうと思います。

 先日(1/10)、NHK大河ドラマ『真田丸』の初回にチャンネルを合わせました。

 そもそもテレビはあまり見ない方で、普段はせいぜい夕食の支度をしながら民放のニュース番組を(見るともなしに)流している程度、どうしても見たい番組は録画して、暇なときに見る主義(見ないまま忘れてしまうこともある)なので、私としてはかなり気合の入った視聴でした。
 息子や娘にも前々から煽って、久々に親子でのテレビ鑑賞となりました。

 かなり期待するものがあったのです。

1.まず『真田丸』というタイトル。複雑に絡み合った戦国絵巻を大坂の陣・真田丸の攻防一点に収斂させていく、ドラマの骨格部分が如実に表されていて秀逸。

2.真田幸村ではなく真田信繁としたところの本格的な、しかも胸躍るような歴史ドラマを造るといった意気込み。

3.歴史の表舞台では一瞬の光芒を放っただけの、謎のほうが多い人物を主人公に据えているがゆえの、大胆な歴史解釈の可能性。

 理由としてはそんなところですが、実はわたくしめ信州の生まれで、真田家の上田市とはちょっと離れていますが、同県人として以前から真田一族には興味があったのです。

 ちょっと横道に逸れますが、長野県に「信濃の国」という県歌があります。

 明治の頃に作られた、長野県の地理・地勢、産業、旧跡・名勝、偉人などを、1番から6番までの歌詞に織り込んだ、お国自慢ここに極まれり、みたいな歌です。

 何か催し物があると、その〆には「信濃の国」を一同斉唱して終わる、というような、たぶん他県の人から見ると異様な光景が、かつては県内のあちこちで見かけられたようです。

 私も小学校のとき、運動会とか終業式なんかで、校歌と併せて「信濃の国」を歌った覚えがあります。
 幼い頃、叔母の結婚式でも、集まった両家の親戚一同が(酒の勢いもあって)この歌をがなっていた、なんて記憶もあります。

 この歌の成立には長野県の「南北問題」が絡んでいるようです。

 廃藩置県後の一時期、北部・東部が長野県、中部・南部が筑摩県とに分かれていたことがありました。
 これが合併して今の長野県となったのですが、その際県庁所在地をどこに置くかで双方揉めに揉めて・・・・といった経緯を踏まえての、県民の意思統一を図った歌、という理解でいいのかと思います。

 で、「信濃の国」の、信州が輩出した偉人を挙げる5番の歌詞なのですが、次のとおり。
    
  旭将軍 義仲も仁科の五郎 信盛も
  春台 太宰先生も 象山 佐久間先生も
  皆此の国の 人にして 文武の誉 たぐいなく
  山と聳えて 世に仰ぎ 川と流れて 名は尽ず

 木曽義仲(平安末期の武将、源頼朝の従兄弟)や佐久間象山(幕末の洋学者)は頷けるとしても、仁科信盛(=盛信、武田信玄の五男、つまり五郎)、太宰春台(江戸中期の儒学者)あたりになると異議ありです。

 ここは昌幸及び信幸・信繁の真田父子でしょう、と突っ込みたくなりますが、この歌の作られた時代の県内での評価はどうだったんでしょう。気になります。

 ともあれ大河ドラマ『真田丸』についてですが。

 まず武田勝頼の不遇・悲運を描くことからスタートしたところに、脚本家・三谷幸喜の周到な計算を感じました。
 このアンチテーゼとして、織田・北条・徳川・豊臣といった大勢力に挟まれながらも、知略・謀略を駆使して戦国の世を切り抜けていく真田父子の生き方が、鮮やかに対比されると思われるからです。

 度重なる家臣の裏切りを静かに胸奥にしまいこむ勝頼役の、平岳大さんの名演ぶりは見事でした。(お父さんの平幹二朗さんは、私のお気に入りの役者でした。テレビ時代劇では『三匹の侍』の桔梗鋭之介役、『眠狂四郎』役、大河ドラマでも『国盗り物語』の斎藤道三役など…懐かしいです。面影がそっくり)

 真田昌幸役の草刈正雄さんも精悍さに渋みが増して、はまり役でした。かつては同じNHKの『真田太平記』の幸村役で主演してましたね。

 なんせここ10年はテレビドラマを(話題になった『半沢直樹』も)見てないので、堺雅人という役者が良くわからず、なんでいつも笑い仮面のような顔してるんだろう、個性的な表情の俳優だな、ぐらいにしか思っていなかったのです。
 今回の『真田丸』を観て、剽悍なヒーロー然とした信繁よりも、堺さん演ずるちょっとひょうきんな信繁像の方が、一年間の長丁場を持たせるにはいいような気がしました。

 絶妙なタイミングで浅間山の噴火がインサートされたり、北条氏政が汁かけご飯を食らっていたり、女優陣の能天気な会話が交わされたりと、随所に笑いどころを挟みながら、胸にこみ上げてくる感動的なシーンや悲哀に胸が締め付けられるシーンを際立たせるところなど、脚本・演出の才気が感じられます。

 難を言えば、冒頭の追っかけの場面、終盤の襲撃場面が、ちょっと手ぬるいという印象を受けましたが。

 ともかく今後の展開が大いに期待される第1話でした。次回も親子でこのドラマを観てみたいと思います。
ラベル:『幻影城』 信州
posted by Pendako at 00:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 断想・箸休め | 更新情報をチェックする
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